いい夫、いい妻になるな 大事なのはいい自分

 結婚をする時に、もしくはこれから結婚しようと考えているあなた。きっとこんなことを考えたはずです。

「あなたのために、いい妻に(いい夫)になります」

 ところが結婚をして、いざ蓋を開けてしまうと。その思いは何処へやら。お互いに自分の思い通りに相手を動かそうとしてしまうことが多いのではないでしょうか。

「いえ、そんなことはありません。私は夫(妻)に尽くしていますよ」

 そう反論する人もいるでしょう。では反論した方にお尋ねします。「今、心から幸せと思っていますか?」

 いい夫、いい妻を目指してしまうと、自分というものが出せずに苦しい思いをしてしまう。そんなことはないでしょうか?

 夫の前ではいい妻を演じているけれど、心の中では不満が溜まっている。その不満を自分の親や友達に「愚痴」として漏らしてしまう。そういう人も多いようです。

 これは逆の立場も然り。結局、人目を気にしてしまい、いい夫、いい妻を「演じてしまう」ことになります。

 これでは人生が窮屈になってしまい、自分の思ったようなことができなくなりますよね。それに、その状態で夫婦生活を続けてしまうと、結局最後に訪れるのは
「熟年離婚」
だったりするのです。これでは何のために夫婦生活を続けてきたのかわかりません。

 ではどうすることが大切なのか?

 目指すのは「いい夫」でも「いい妻」でもなく、「いい自分」なのです。
「いい自分」ってどういうこと? 自分勝手に生きていけばいいってこと?

 いえ、違います。もっと自分を大切にして、自分を喜びで満たすということです。

「やっぱり、自分のわがままを通せばいいってことじゃない。それだったら楽だわ」

 だから違うんですよ。「わがまま」というのは、周りを自分の思い通りに動かそうとすることです。つまり、対象が「外部」に向いています。

「いい自分」の場合、自分の機嫌を保つために、自分自身のことを褒めたり、認めたりしています。

「今日は気持ちのいい掃除ができた。私ってすごい!」

 このように、自分のことを自分で褒められる。そんな自分を大切にするのが「いい自分」なのです。

 その結果、常に機嫌の良い自分を作ることができます。そうすることで、自ずと周りに優しくしてあげたり、親切心が生まれたりしてくるものなのです。

 そうすることで、自然と「いい夫」「いい妻」になることができるのは、もうお分かりですよね。パートナーに対しての気遣いができたり、優しい言葉をかけてあげる気持ちの余裕ができたり。これが平和な夫婦生活を、男女関係を続けるための一番の秘訣だと私は思っています。

 我が家も、私が今の仕事を始めた頃は自分自身に余裕がなくて、いい自分になれませんでした。妻も、子育てや家事、そして経済的なことでいい自分になれていなかったようです。

 今はお互いに、自分のやりたいことをやりつつ、相手のことを思いやる余裕ができてきました。いい自分ができてきたかな、と感じる今日この頃です。